プレイレポート(Viewer: 宮野木 実)

やっほー、演劇部部長、この学校での知名度No1、実ちゃんですよー。
……そこ、嫌そうな顔をしない。そもそも、何で私の顔を見ると嫌な顔をする人がいるのかしら。私は必ずルールは守っているのに、おかしいわよねぇ?
それはさておき、今回のセッションについて、私の視点から見たお話を話させてもらうわ。まあ、私が書き下ろした演劇の題目とでも思って、気軽に聞いてみなさいな。


10月11日の朝礼、これがそもそもの始まりなんだけれど、私の耳にもあの話は入ってきていなかったのよね。学内を知り尽くしている私の耳に入らないってことは、ほとんど1人で決めていたか、その場ででっち上げたかの2つしかあり得ないわ。
理由?私の耳に入っていないからよ。あの子は誰のことが好きなのかなんて話は、どこかに噂が立てば私の耳に入ってるわ。
っと、少し話がそれたわね。とにかく、坊主頭の件は男子だけだし、いつもならスルーするところだったんだけれど、今回ばかりは事情が違ったわ。そもそも、2週間後には文化祭が控えているのよ?今、男子の髪を切らせたら、役のイメージが台無しじゃない!
……カツラを被らせればどうか、って?
……そんなお金があったら、とっくに別の舞台用道具が豪華になっているわよ!
もちろん、そういう事情もあるんだけれど、何よりも、この私を差し置いてこのような目立った事をしようとは、言語道断よね!
と言うわけで、実ちゃんの反風紀委員長活動はここに幕を開けたのでした。
さあて、私を敵に回したこと、後悔しなければいいわね。


昼になって、演劇部員を緊急で集めたわ。文化祭も2週間後に迫っていることだし。
男子で髪を切られたく無い子もいたようだし、私が動くことに対しては好意的な目しか無かったわね。まあ、止めようとしても、数人がかり程度じゃ私は止められないけれど。
その日の放課後に、とりあえずは生徒会室へ行ってみたわ。何しろ、風紀委員会で設定した校則案とは言っても、最終的には生徒会長の承認が必要だからね。
すると、とりあえず使えな……もとい、少々世渡りがへたっぴな副会長だけが部屋に居たのよね。まあ、こいつは今回の風紀委員長の態度に対して、かなーり苛立ってたみたいだから、簡単に話を引っ張り出せたわ。
私は知ってたけれど、ちょっと前に「男女学生の恋愛を禁止する」という既存の風紀項目が削除されていたのよね。誰がこの変更をしたかなんて、興味が無かったんだけれど、今の風紀委員長が中心となって、この変更をしたみたい。すっかり忘れてたんだけれど、この時点で、ピンとは来たわ。
なるほどなるほど、彼女、恋する乙女だったのねえ。それにしては行動が直情的でいけないわね。十分な策を取らなければ……楽しく、無いじゃない?
案の決定は13日の放課後の定例会議で議論を行って決定するみたいだし、いくつかの今回の廃案に持って行くための活動を並行して開始するとしましょう。


その一方で、不良グループとお嬢様が、何故か意気投合して今回の活動に反対し始めたみたいね。
せっかくだから、利用させてもらうことにしたわ。根源は違うかも知れないけれど、目的が一緒なら協力した方が楽だからね。
まったく、都合の良いスケープゴートが良いタイミングで現われたものだわ……と、思っていても口に出さないのが重要。
あくまで、私は良い子を演じ、ルールを守った上で、最上級の楽しみを満喫するんだから!


翌日、学校に行ってみると、先のお嬢様が中心となって、署名活動をしていたわ。
コレ幸いと、私の権限を最大限活用*1して、野外ステージを速攻で建設。その上で今回の件について懇切丁寧な説明*2を行ったわ。
お嬢様の助けもあり、十分な人に署名を貰えたわ。その後に風紀委員長が何かぞろぞろと人を引き連れて駆けつけてきたけど、止めろと言われたから即座に撤収したわ。
大がかりな活動をするときは許可を取ってくれって言われたけれど、そんなの、現在の規則には無かったわ。止めろという命令にも従ったわけだし、文句を言われる筋合いは無いでしょ?ふふっ。
悔しそうに風紀委員長は帰って行ったわけだけれど、私は学生として持っている最大限の権利を利用しただけよ?
これで、私が風紀委員長の案に反対していることは分かって貰えたみたいだし、昼休みぐらいにでも直接対峙してみる予定を立てて、授業に出たわ。学生だもの、本分は学びと遊び。これらを両立させないとね。
昼休みに風紀委員長のところに行ってみたけれど、さすがに敵視されてるわねえ。というわけで、早々にこちらのカードを切って仕掛けてみたわ。
さすがに私の気迫に負けたのか*3、今回の案は、自分の恋路が関わった利己的な改変の一環であることを十分察せる程度の情報を露呈させてくれたわ。
軽い脅しはかけてみたんだけれど、完全に引く気が無いようだったから、簡単な方法を選ぶことにしたわ。直接本陣がたたけないなら、堀を埋めてしまえばいいのよね。
と、言うわけで放課後は生徒会長さんの所へ。彼女、思い人がいるのよねえ。というわけで、その相手が署名に名前を書いてくれたときから、この直接交渉は考えていたんだけれど……。その話を持ち出すと、な、なんか酷く疲れたんだけれど*4うまく彼女の思考を法案中止の方向に持って行くことが出来たわ。明日の会議に関しても、必要な議席を約束して彼女との話を終わらせたわ。
と、ここまで根回しをして準備万全!と思ったら、不良のバカどもが武装蜂起を起こして*5、あわやコレまでの根回しがパーになる所だったわ!
あまりにも酷かったんで番長って呼ばれているカラフル頭に全力で蹴り*6をかましてやったんだけれど、ダメージを与えるどころか、私が軽く足をねんざした*7わ……
何なのよ、あいつの体!まるで金属じゃない!
とにかく、万全の準備はしておいたわ。後は明日になるのを待てば良いのね。
ああ、それとエリカお嬢様には風紀委員長がどうも自分の色恋沙汰で動いていることはほのめかして置いたわ。男子2人はこの時点では気付けなかったようだけれど。
念のため、明日に備えて新旧2つの風紀規則をコピーして、さらに該当箇所にマーカーまで引っ張っておいたわ。
さすがにこれで、あの馬鹿男達(知力1および2)も何が問題になっているか気づくでしょ。


会議当日。朝に風紀委員長に挨拶したんだけれど、そっけなく返されちゃったわ。風紀委員長たるもの、朝の挨拶は他の見本となるようにしなければいけないのにねぇ?
もちろん、私は見本となるような挨拶を委員長にしたわ。公私混同なんてしているから、スキができるのよ。まったく、まだまだねぇ。
署名は副会長に渡したとか不安な事を言われたから、一応昼休みに生徒会室に確認に行ったわ。そしたら、さすが無能に定評のある副会長さんね。
……どうやったらあの紙の山を無くせるのよ。管理すらきちんと出来ないようじゃ、会長のポストなんてほど遠いわよ。
まあ、生徒会長さんが持って行った形跡があったので*8よしとしたわ。
んで、部室に帰って着替えてたんだけれど、山中君だったかしら。あの番長付きのメガネの子で、二日目辺りに七三刈りを坊主に丸めてきた人は。たまたま屋上を見たら、偶然にも私の方を凝視してたのよ。……スリッパをぶん投げてやったけど、ヒットはしなかったみたいね。
ふふふふふふふふ。
なるほどね。私の素肌とか下着とかを見ちゃったのね。
ああ、これは手加減しなくても良いっていうサインよね?
覚えておきなさい、山 中 先 輩 ?
今日は色々あるから忘れたげるけれど、明日まで、ね。


さすがに私がこれだけ全力で動いただけのことはあったわね。会議では風紀委員長の賛同者がかなり少なかったわね。
その後になんかトンデモな告白があったけれど、……これはこれでハッピーエンドなのかしら、2人にとっては。
まあいいわ、私には直接関係はないし。むしろ、今の私のターゲットは……ね?(笑顔)


ああ、そうそう。勘違いしているかも知れないから行っておくけれど、私は風紀委員長個人も、校則変更に対しても嫌悪感は持っていないわよ? 風紀委員長はこの年頃の1人の女の子だし、法案の法は、私が先に知っておいて、私にとって損がないならそれでよかったしね。これだけ急に全員を坊主にするとかではなく、リーゼントを禁止するとかいうピンポイントなものだったら、私も委員長に味方したのに。
この学校内で、私を無視して何かを進めるのは、かなり根気が要る作業だと思いなさいな。
あと知ってるかしら? 私、常にICレコーダを回し続けていたんだけれど、どの人も色々と面白い言質が取れてるわよ。ふふっ。
もちろん簡単には使ったりはしないわ。あくまで*最終手段*よ?


委員長の校則案が却下された次の日、演劇部に諸々のことを伝えたあと、私のスリッパの片方を取り返しに体育館裏に向かうことにしたわ。素直に返してくれたけれど、それだけで済むと思っているのかしら?
ああ、どのようにお仕置きしてほしいのかしら、ねぇ、山 中 先 輩 ?


っと、まあ、こんな所かしら。
もちろん、この物語はフィクションよ?
私というキャラはともかく、PLさんはきちんと全体を考えて、強調行動しているからね?
少し、私が書いた内容が誤解されかねないかもしれないから、一応補足しておくわ。
それでは、少しでも楽しんで貰えたら幸いよ。機会があれば、また会いましょう。

*1:具体的には才能:注目の的ね

*2:と言いつつ、技能はプロパガンダよ。判定結果は不可だったけれど、お嬢様の魔のツボ = 10万円の支出により判定は良になったわ。……何よ、あんまり広範囲に向けた口は回らないのよ。

*3:才能:死ぬ気を利用して気迫で押したわよ。具体的には、反応を優に強制変更。さすがに観察1の私に高レベルのポーカーフェイスを見ぬけって言われても、厳しいのよね。

*4:運:良の判定を成功させるために才能:絶対に負けないで4回ぐらい判定を振り直したわ。私、運はあんまりよくない(=3)のよ……

*5:生徒会長の所に行っていたおかげで、武装蜂起を収めるところに出現できなかったのよ!全く、部下の行動ぐらいキチンと把握しておいて欲しいわね。

*6:ジャージに着替えて、体育館裏にたむろしている番長に2階の窓からキックよ!

*7:私にまさかのダメージが入ったのよ。死ぬ気のおかげでHPが1になっていたから、HPが0以下になって……危うく入院(という名前の引きこもり)になるところだったわ……

*8:実は判定に失敗しているので見つけられなかったのだけど、最終的に出てこないようなら運命の理:校内の秘密を使ってでも見つけるつもりだったわ